父の涙


土曜日。スター子役の人が出演しているテレビ番組を見て父が泣いた。

日曜日。近隣の幼稚園の運動会でおゆうぎしているこどもの人々を見て父が泣いた。


父はわたしがうまれる前には男の子用の名前を考えていて、わたしがうまれてからはグローブやら将棋盤やら柔道着やらを買ってきたりした。
わたしがおもらしだかなんだかをして母に下着をはきかえさせられていたとき、「こいつのここはなんでこんなんや」と父は嘆いたが、それはわたしにペニスがないからか、わたしの性器が変だからか、はたまた別のなにかなのか未だにわからない。

新しいスクール水着を買ってもらいまして家で着てみたとき、母が父に「ちょっと見たって胸ふくらんできたやろ」と言って、父は「そ、そうかあががゴホンゴホン」と咳払いをした。わたしは勝ったと思った。父に。なぜかはわかりません。

結婚したいとか言いいだしたら相手の男を一発殴ってやる、売春婦みたいな服を着るな赤い唇をして出かけるな、息子は家にのこって娘は出て行け、親の面倒は子がみるのが当然だ、息子は冷たい持つべきものは娘だ、などなど、その時々にいろんなことを言っていましたし、それはこれからも続くと思います。


自分とか他人とかの親や子が、男でも女でも障害あっても障害なくてもしょうがないよね。好きだったり嫌いだったり厳しくしたり甘やかしたりすてたりひろったりしてもしょうがないよね。しょうがなくてもしょうがなくなくてもどうでもいいよね。人間だもの。みつを。どじょう。のだ。よしひこ。
わたしが手に入れたコンピュータとかの箱などに書いてあったのは Look inside だったな Think Different は記憶にないなと突然思ったり。関係ないがなとつぶやいたり。


父は自分に女のこどもがいることがイヤだったんじゃないかなと思います。


追記

久々の熱発。油断してた。ぎゃふんです。


病院から帰宅するためにタクシーに乗ろうと思いましたところ、病院の前の道が一方通行でして、軽自動車が 2台路上駐車してまして、道せまい感じでして、夕方でやや道路は混んでいまして、国道とかからの抜け道とかで、まあとにかくわたしどもはさっさとタクシーに乗り込んで出発しないと渋滞してしまうかもしれないという状況だということでございまして、まんまと 3台くらい車集めてしまいまして、父をおりたたんで母をまるめてタクシーに詰めたところで、車いすは病院で借りていたものだということを思い出しましたので返しにいくわけですけどもう 5台集まっていまして、車が。で、運転手さんに「病院 1周まわってきてもらえますか」と言いまして、そのすきにわたしが車いすを返しにいけばいいのですので「とりあえず出てください」と申しましてタクシーから離れようとしたところに「はやく乗り」と声がしまして、振り向きますとイケメンがパジャマきて点滴の棒に車ついてるやつ持ってて、「いいから乗り、車いす返しとくから」と言って、わたしの手から車いすを外してくれまして、それが今の夫ですなんてことはないですし、イケメンと書きましたが顔ぜんぜんおぼえてない。


イケメンの人に「ありがとうございます」と頭をさげたときに、耳のカラの後ろくらい、めがねのつるがあたるとこくらいから「フカブカ〜」と音が聞こえた。←コレはまずいこと。


心から謝罪するとか、深々と頭をさげて礼を言ったとか、朴訥と語ったとかは、自分じゃない誰かが感じたり思ったり決めたりすることで、自分自身で思ったり言ったりすることではないのではないかと思っているので、自分で思ってやったときは芝居だし、自分で言ったときは嘘をついてるのだと思う。「フカブカ〜」って音がきこえたのは、深々と頭を垂れるを表現するのに深く頭をさげるというヘタな演出の大根芝居のクズやろうだからです。わたしのことなのでほかの人はしらん。しかし「心からおわび申し上げます」とか言われても嘘っぽいと思うと思う。


何者?とか愚か者とかくせ者とかバカもん!とかは、自分じゃない誰かが思ったり決めたりすること。「無礼者!」に続くのは「名を名乗れ!」自分自身は名前を言うくらいしかできないし、その名前も誰かがつけた。