父の30年、30年前のわたし

1983年で4月24日でたぶん日曜日でおそらく午前9時とか10時に起きた。両親はいなくて寝室は布団があげてあって、花ござを敷いた部屋はあきらかに変で異様に思えるほど片付いてて、自分のまわりの空気について空気を感じたのは人生で3回くらいあり、そのはじめ…

父の用足し 2

被介護者と介護者の性別がちがうとき、どっちの性にフィットした感じのトイレに入るかまようことがあり、まあ実際は、入るときはたいがい急いでるからまよった記憶はうしなわれ、使用中とか使用後に、これでよいのかあれでよかったのかとくよくよする感じで…

父の用足し 1

父はトイレにいって用を足したあとに呼吸するのが苦しくなることが多いようすで、はじめてそうなったときはあわてふためいて病院に連れて行ったのだけど、診察室に入る前におさまるというなんともよく聞くようなできごととなりました。 ↑↓ 肩をはげしく上下…

父の介護とか、わたしへの子育てとか 5

まるっきりキャンプだ。 長い間、ただ生活をしてきて日常をくらしていただけで、それが介護だとひとさまから言われるようになり、先月死んだご婦人は顔をあわせるたびに「近くに娘さんがいるのがうらやましい」と両親にもわたしにも言っていたけど、ほんの15…

父の介護とか、わたしへの子育てとか 4

父が退院した。 入院中、医療の人々から歯をみがくようになんども注意というか指示というかがあって、まあ、とにかく父は歯をみがいてくださいとしょっちゅう言われていたし、母は職員の人々から歯をみがくように言ってほしい、歯をみがかせるようにしてほし…

父の介護とか、わたしへの子育てとか 3

パクパクする。腹が立ってるのだと思うけど、怒鳴ったり号泣したりすることがしばしばあって、以前。このところは、なにかイヤなムードの予感みたいなのがするときには、自分の体の外には音を出さないように不満などを言うようになった。なんども思い出すの…

父の介護とか、わたしへの子育てとか 2

1週間に2回か3回、両親のすまいの掃除をする。 床に輪ゴムが落ちていたとしたらずっと落ち続けていて、それはだれも拾わないからで、なぜ拾わないのかしばらく前にたずねたとき、輪ゴムが見えないと母は言った。茶系の床にオーバンドは見えないし、たとえば…

父の介護とか、わたしへの子育てとか

まずはじまっている。なにもかもよくわかっていないままということからはじまる。はじまったときがいつかわからない。 気がついたら生活をしていて、日常をくらしていて、行政とか民間とか組織の人々とかかわって「そうだったのか」と思うことでそうなんだと…

父の姉

どれだけかぶりかわからないけど父が入院して退院して、そういうとき、入退院とかのとき。父がどうこうとかここに書いていたのだけど、このたびすぐに書かかずでして、退院してすぐまた入院になってしまった。けどまた退院した。書かなかったらすぐまた入院…

父の旅のつづき

本日もまた父はどこかへ行っており、今後たびたび父はどこかへ外泊するということを母が決めたらしく、母は祖母のすまいなどに出向いて。父の部屋の掃除をして寝具のカバーなどなどをとりかえて、母のキッチンの掃除をしてなんかいろいろふきとって、とつぜ…

父の帰阪

両親が旅から戻ってきてどうやら府外にいたらしく帰宅したその日に母のキッチンは金属音がひびいて翌日もうすでに油がはねて冷蔵庫のドアに食品の一部がべっとりとついていて晴れてしまってきのうは布団をたたきまくる人々が地域中にあふれかえっていたけど…

父の旅

数日前、父が旅立ったのですが(死んでません)、どこに行ったんだかいつ戻ってくるんだかさっぱりわからずで、父が旅行をするということを母が決めたところまでは知っていた。むかえにきてくれた車に旅行カバンをいくつかのせているときに、父が車にのせて…

父の1年

父が退院してから2年くらい経った。この2年、父は毎日家で寝て起きた。病院にはなんどかいった。デイサービスにはなんどかいかなかった。祖母がとなりの市からこちらの市に転入してひと月かふた月か経った。母はほぼ毎日、祖母のすまいに通い、わたしは両親…

父の耳

父は「ピーって高い音がする」とか「耳鳴りがする」とか「いま耳で音がしてる」とかしょっちゅう言う。 「ちょっと聞いてみてくれ」と言われて、びっくりして拒否したけどゴリ押しされた。 わたしにはきこえなかった。いやだった。 病院にいった。外科と皮膚…

父の冒険未遂 2

夜中。気がついたときには玄関扉が十数センチ開いていた。 「間に合う」と確信するような気持ちになり、外にとびだして父の姿をさがした。夜中とはいえ、おとなの人が勝手に出かけることについて、干渉しすぎるのはよくないと思うし、自分がやいやい言われす…

父の冒険未遂 1

どんなことでもたぶん、わたしは。前はそう思っていたけど今はこう思うというような感じで、そうとこうが入れかわり、そうだけどこうだったり、こうだけどそうしたり。 父が妙なことをしているようにみえたので、頭にスーシンチュウ(四星球)をのせている理…

父のてんかん 5

「てんかん」という言葉を見聞きすることが多かった日々がとりあえず終わった。たぶんいつかまたはじまる。とか思ってたら今朝みた新聞の一面に「てんかん」の文字があった。ひらがなよっつは、てんかんかちんちんかるんぺんのサインでぜんぶわたしへの合図…

父のてんかん 4

「すべてのてんかんがこわいわけではない」だったか「こわくないてんかんがある」だったかちゃんとおぼえていないけど、そういうのを見聞きすることが多かった日々がいつのまにやら終わってた。もともとは「てんかんこわい」というのを見聞きするのが減った…

父のてんかん 3

「すべてのてんかんがこわいわけではない」だったか「こわくないてんかんがある」だったかちゃんとおぼえていないけど、そういうのを見聞きすることが多かった日々がいつのまにやら終わってた。もともとは「てんかんこわい」というのを見聞きするのが減った…

父のてんかん 2

「すべてのてんかんがこわいわけではない」だったか「こわくないてんかんがある」だったかちゃんとおぼえていないけど、そういうのを見聞きすることが多かった日々がいつのまにやら終わってた。もともとは「てんかんこわい」というのを見聞きするのが減った…

父のてんかん 1

小学2年か3年のとき、幼なじみといっしょにたいやきを買いにいった。帰り道、前からグリーンのキャップをかぶった男性が歩いてきて、なにかがどうにかなって塀におさえつけられてクチの中にベロをすごい入れられた。わたしのクチの中に男がベロを入れたとい…

父のノー 2

事故や事件の被害にあった人というのは必ず死ぬというわけではなく生きる人もいて、わたしの父は40歳くらいのときに事故だか事件だかの被害があって生きた。記憶がはっきりしなかったり性格がまるで変わったようになったり倒れたり泣いたり暴れたりいろいろ…

父のくすりと母のくすり

朝食後にのむ薬がコロコロ転がってどっかいった。複数の錠剤のうちどれをのんでどれをのんでないかわからない。ということを母が言ってて、母がのむ薬には血圧をさげるものがあり、のまないのはマズいかもしないが、のみすぎるのはなんかヤバそうだから今朝…

父の1年

父が退院してから1年経った。この1年、父は毎日家で寝て起きた。病院にはなんどもいった。デイサービスにはなんどかいかなかった。わたしはときどき、数年か数ヶ月か数週かに数回。父の言動にひどく腹をたて、怒って怒鳴って泣いて泣き叫び、父をベッドにの…

父の涙

土曜日。スター子役の人が出演しているテレビ番組を見て父が泣いた。 日曜日。近隣の幼稚園の運動会でおゆうぎしているこどもの人々を見て父が泣いた。 父はわたしがうまれる前には男の子用の名前を考えていて、わたしがうまれてからはグローブやら将棋盤や…

父の腕時計

父を家まで送ってくれたデイサービスの施設の職員の人が「腕時計がなくなったって言いはったから探したんですけど見つからなかったんです」と言った。このときの「言いはった」は「おっしゃった」の関西弁風の言葉で、「言った」をていねいに言(い)わはっ…

父の過去

去年の10月、加害者になりたくないと思うのは被害妄想なのだと思った。 加害者になるのがいやだから、勉強してるし努力してる、それに小さな失敗でもすごく後悔してた、でも加害者になってしまうかもしれない。もし加害者になってしまったとしても、わたしは…

父のくすり 2

父がのんでいる薬がなくなるらしい。この世からなくなるということかな。 武田薬品工業株式会社の「消炎酵素製剤「ダーゼン®」の自主回収について (2011年02月21日) | 2011年 | ニュースリリース | 武田薬品工業株式会社」から引用(コピペ)。 当社は、日本…

父の体液 2

2週間くらい前の胸水穿刺検査の結果。父の。 水たまりの原因は不明。単核球96%くらい。細菌性の水たまりではないとか。バイヨーのなんかで2番目なのでガンインセーと言える。ヒアルロン酸が10万以下(単位しらない)でガンでない?ADAが12とか(単位知らない…

父の体液

父が退院して1週間くらい経ったが、「まあ簡単に言うと肺に水がたまってる」ということで、背中から細いなにかを刺して、胸膜腔だか胸腔だかにたまっている液を抜いて原因を調べる「胸水穿刺検査(きょうすいせんしけんさ)」をしてもらうことになりました。…