父のくすりと母のくすり

朝食後にのむ薬がコロコロ転がってどっかいった。複数の錠剤のうちどれをのんでどれをのんでないかわからない。ということを母が言ってて、母がのむ薬には血圧をさげるものがあり、のまないのはマズいかもしないが、のみすぎるのはなんかヤバそうだから今朝はもうなにものまないとのことで、そのままでかけた。
しばらくして父にお迎えがきたので(死んでません)介護サービスの施設へとおくり出したあと、やれやれなどとつぶやいて父のイスに座りますと、テーブルの上に紙袋があり、中にははっさくがいくつか入っていて、袋のそばにノートがあった。それは介護の人々に血圧やら行動やらのことを書いてもらうやつで、あいだに薬の小袋をはさんでいまして、いつもはカバンに着替えなどと一緒に入れていまして、つまり父は施設に薬を持っていくの忘れた。昼食後にのむ薬で、てんかん発作をおさえるものもあります。
一回くらいのまなくても大丈夫じゃね?と思ったが、もし父が施設の車を勝手に無免許運転し、運転中にてんかん発作をおこしたらどうなるんだろうと不安になり「薬を届けなければ!」と意気込んだのですが、ぜんぜん施設に到着しないまま午後になり、自分がどこにいるのかさえわからなくなったところへパトカーが走っていった。サイレンの音を追うと、父が以前入院したことがあるデカイ病院の精神科病棟のところに警察の車が数台集まっていた。自分がどこにいるかわかった & 父の杖にはフルネームと電話番号がデカデカと書かれている。自宅に電話があるかもしれないので帰宅。

夕方、父も母も健やかに帰宅し、ふたりとも早めの夕食をとり薬をのんでさっさと寝た。
今朝、母が見せてきた新聞に、あの病院で入院患者が入院患者を殺人したことが載っていた。
さきほど、「きのうの薬な、キヨミオレンジの袋からでてきてん」と母が言っていた。はっさくじゃなかった。