父の健康


父の定期的な診察の日に、ちょいと家族の手がなく、わたしひとりでは父を動かせなかったもんですので、わたしが病院で担当の医師と話をしてまいりまして、父の今回の骨折の経緯なんかもちんたらちんたら説明しました。
先生がパラパラとカルテをめくり、「最近いろいろ続きますねぇ」としょんぼりした感じでおっしゃいまして、昨年末から入退院をくりかえしておりますもんですから、父が。
わたしにとって父の傷病は、やることが増えまして、わたしの。それがめんどくせーなといったことですとか、「父親を虐待している」って思われることに怯えたりとか、もう迷惑でしかなく、父の傷病は。
でも、先生からすれば、父(うけもってる患者)が傷病を繰り返すことは、もう単純に、それだけで「イヤ」なのかもしれんよねと思いました。
「イヤ」なのか「ブルーなるわー」なのか「もーなんでー」なのか、うまく言葉をあてることができんのですが、そんな感じでしょんぼりしてしまうのかもしれないと思いました。しょんぼりした演技でーすとか、条件反射でしょんぼりしちゃった!なのだったとしたら、わたしは幸せ。


病院の帰り道、本当の本当は、わたしは父を虐待してるんじゃないかと胸に手を当てて考えてみた。ノーブラだった。
カラスがじっとりとわたしを見ていた。
わたしは父を虐待しているorしていないことをどうすれば証明できるか、カラスはすべて黒いということをどうすれば証明できるか、ベンガルにたずねるか、ベンガルじゃないか、誰だったっけか、誰かわかってもどうせ死んでるか。