思ったと思っただけで実は思っていないのではないかと思う

ショッピングモールのフードコートとかキッズスペースとかに行きましたところ、姪らと母と。母が「若い母親たちは我が子を見ずにスマホばかり見ている」という旨のことをなんども、なんどもなんども言っていたのだけど母自身。スマホばかりを見ているよそ様ばかり見て、子や孫らをちいとも見ていないということでは?子(わたし)は50歳くらいの一般的な中高年なのでそんなに見守らなくても大丈夫。と思いました。しかし実のところ母は、どうやら孫らをじっくりじっとり見て「きげんよく遊んでるからイケる」などと勝手な判断をして、ひとりで移動しようとするのでおいこらまてと呼び止めまして、母に「いまから祖母はどうするか」「その間、孫らはどうしていればよいか」を姪らに伝えさせた。すでに母は。子に、(もうしばらくすると孫らにも)見守られる立場になっている。

帰宅してからも「おかあさんたちはスマホ見るのに一所懸命やったね」と母が同意を求めてきたが、わたしには「そんなおかあさんたち」が存在した記憶がなく。姪らがおてんばとかわんぱくとかそういうたぐいの人物だということもあり、また。母の言動が大胆なため放任しておけない影響もあり。あの場所で親族以外がなにをしていたかはあまり記憶がない。幼児の両親にしてはたいへん高齢な雰囲気をもつペアがわたしや姪らにはなしかけてきたのはおぼえているし、そのこどもがキャラクターの顔面が前面にはりついた乗り物につめこまれることに対して全身を使って抵抗をしていたことはおぼえている。やはり母は子や孫らを見ずに「そんなおかあさんたち」を見るのに一所懸命だったのか。

はたして「そんなおかあさんたち」はほんとうにいたのか。たしかに。スマホを手にしている子連れの女性は複数いた。迷子のおしらせなどは1回もなかった。同じスペースにいた人々から傷病人はでていないようだった。泣いてるこどもはいた。転倒しているこどもはいた。スマホに熱中している保護者がいても事故・事件が起きないのなら問題はないのではないか。そんなことないか。結果そうだっただけか。結果がそうなら問題ないのでは?いや、そんなことないってはなしか。

「そんなおかあさんたち」がいたとして、母はほんとうになにか思ったのか。「スマホを手にしてる母親」を悪く思わなければいけないと思って思ったと思っただけなのではないかと思う。内包とかそういうようなヤツではないかと思う。

いや。

母はとくになにか不平不満とか文句とか苦情とかは言っていなかった。「そんなおかあさんたち」がいたと言っただけだったのに、わたしが勝手に。母は若い人々の落ち度を指摘したつもりになって調子こいてやがると思っただけだ。母は自分が思ったと思っただけで実は思っていないことを思ったと思っていると思ったけど、実は。母はとくになにか思ったわけではないのに、わたしが母はそう思ったと思っているだけで実は思っていないのではないかと思っただけだ。

「そんなおかあさんたち」に不平不満や文句とか苦情とかの気持ちがあるのはわたしではないか。または、母は若年女性に悪感情を抱いて発言するものだとわたしが思い込んでいるのではないか。内包とかそういうようなヤツではないか。まずい。