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「女のはなしがおもしろい」

「人生」は女にしかないのではないか。女のはなしにしか興味がもてない。

女はみんな同じではないとか、自分はほかの女とはちがうとアピールしたいときがあり、しかしそうすると多くの女とまるきり同じだと発表することになるような気がするのでだまって。だまることで自分はほかの女とはちがうと……。すすんで男のはなしをしようと思って気がついた。

そんな男はいくらもいて、ある期間にある数を攻略したというはなしはいくらもあって。ケンカでもセックスでも引越しでも。一生のあいだに子を6人産んだ女がいたとしてもおそらくそれは男のはなし。大阪城を建立しても Apple を設立しても、なにをしたかなにをしなかったかのはなしでしかなく、呼吸のついでにふーんと言ってそれでおわる。ハンバートにはまるでなにもないみたいで、なにをしたかなにをしなかったか、そこに書いてあることがすべてのようなつまらない人間。
左から右へ進化して、ビジネスマンや肥満を描かれる現代人まで。人類は男で人間とはたぶん男なのだと思う。そしてつまらない。男と対のときだけまるで人間になったような気分になるけど、その時間はただつまらないだけでまったくなにもない。小田実は言った。NHK で未だに王様の物語をする、それになぜ怒らないのかと。なぜ女王でないのかと。
大韓航空でも大塚家具でも女がいなければふーんと呼吸しておわった。
ドロレスに憧れて嫉妬して。人間の視界に入らない、人間の記憶に残らない「人生」。注目される女に注目して期待して憎んで。期待しつづけて憎みつづける。


「どれだけ抵抗したか」は、なにをしたかなにをしなかったかというはなしで、「本当はイヤだった」は通用しない。人間と女はちがう。