父の遺伝子


身長が 100cm に満たないころのわたしは、自分のお小水で作られた水たまりの中心に立っていることが多く、暖かい日はパンティーを着けずに外出し、そこここで尿による表面張力を楽しんでいた。
ある年の夏、父の故郷でもわたしはそこにいた。見知らぬ農夫が近付いてきて「おまえ、かおるの子か?」とわたしにたずねた。軽トラックの窓を開け、理容室のドアを開き、「かおるの子か」と人々はわたしにたずねた。みな、一目見ただけで子の父が誰なのか知ることができた。

父の大便をはじめて見た。わたしのそれと似ていた。おわり。
パンティーとかマグロとか、女性名詞で男言葉(男性語)なのかなと思っていて、少し冒険してそんな言葉を使ってみるのが好きなので、携帯電話を使用しながら歩いている人を「マグロ」と呼んだりしてエンジョイしていたのですが、これだと鮪のマグロで、マグロのマグロを由来してるのではないことに今気が付いてとてもショックです。
追記

便を見たあとですけど、なぜか父がまたまた入院しまして、翌朝わたしは母を怒鳴りつけて号泣した。ベランダにて。亀を磨きながら。
病院で診てもらう必要があるのはわたしなのかしらと、そろそろ思いはじめていますけどどうなんでしょう。